鉄蓋の過酷な設置環境
鉄蓋は地下に埋設されたライフラインの中で、唯一地上に面して設置されており、その設置環境はかなり過酷な環境です。
大型車の通行をはじめ、積雪地域においては除雪車の通行による破損、沿岸部においては海水による塩害腐食が発生します。
大型車の通行
除雪車の通行
・沿岸部の海水による被害
・積雪地の融雪剤の散布
鉄蓋の老朽化による不具合事例
過酷な環境に設置される鉄蓋は、長年の設置で老朽化していることから、道路の安全を確保している上では、日々の維持管理の中でこのような状態を把握していくことが必要です。
蓋と受枠の接触面の摩擦
→蓋のがたつき、騒音
→蓋のがたつき、騒音
蓋や受枠のクラック、破損
受枠と上部壁のボルト固定未実施
→受枠毎のがたつき、周辺舗装破損
→受枠毎のがたつき、周辺舗装破損
蓋表面の摩耗
→スリップ
→スリップ
地震によるバルブボックスの不具合事例
老朽化に伴う不具合以外でも、大規模地震に伴う不具合も発生しています。
2016年の熊本地震の際に現地調査を行った結果としては、地震動によりバルブボックスがずれ、ずれた部分から土砂が内部に入り込んでバルブが見えなくなっているものや、ボックス自体が傾いてしまってバルブ操作に支障をきたすものが確認されました。
これらの状態を放置すると、耐荷重の不足でボックス自体が破損したり、バルブ操作ができずに応急復旧の遅れに繋がったりすることから、未然に対策できることへの対応が必要となります。