レジンコンクリート製ボックスは、バルブ等の機器類(仕切弁、消火栓、空気弁等)の保護、収納を目的に地下に設けられたバルブ室や弁筐、消火栓室、空気弁室等を構築する部材として、全国的に普及し、平成10年には、自動車荷重25トンに対応可能なボックスとしてJWWA規格に制定され、現在では、浅層埋設化に対応できるように規格改正されています。
材料であるレジンコンクリートは、既存の現場打鉄筋コンクリートやプレキャストコンクリート製品(二次製品)で、使用されるコンクリートに比べ、結合力が強く、材料特性である圧縮強度や曲げ強度などの機械的性質強度が高く、コンクリートに対し3倍以上の強度を保有しています。この材料特性を活かすことで、壁厚などの薄肉化を可能とし、軽量で、且つ、高強度が得られます。また、施工方法も至ってシンプルで、予めプレキャストされた、レジンコンクリート製ボックスを設計高さに複合(積み重ねる)することで、施工を可能としているため、施工性効率が格段にあがることが選択される要因の一つとも言えます。
注)レジンコンクリート製ボックス施工の注意点
ボックスを施工する際に、接合面に異物等が付着した状態でボックスを据付けすることで、その部分に偏った応力が発生し、破損などの要因となり得ます。そのため、事前に接合面の清掃を十分に行い、付着異物などがない状態で、ボックスの据付けを行う必要があります。ボックスの強度及び耐久性を保持するためには、接合部の荷重伝達に断絶が平均化されるよう、接合材を全周に連続で、且つ、均等に盛り付けて接合する必要があります。
また、近年では、地震動や集中豪雨等の災害発生に伴う不具合事例として、液状化や地盤沈下などの地殻変動が要因で、ボックスや調整部にズレが生じ、応急復旧作業に支障をきたし、復旧の遅れにつながる場合がある等の報告もなされております。当工業会では、ボックスを据付けする際には、接合材の標準使用を推奨しております。
目次
2 引用規格
3 定義
4 種類
5 性能
6 形状及び寸法
7 外観
8 材料
9 試験方法
9.1 外観及び形状
9.2 寸法
9.3 材料試験
9.3.1 圧縮強度試験
9.3.2 吸水性試験
9.4 軸方向耐荷重試験
9.5 試験結果の数値の表し方
10 形状試験
11 検査
12 表示
付表2 分割底版型ボックスの種類とその高さ
付表3 円形調整リング(1~6号(K))の主要寸法
付表4 円形上部壁(1~6号(A))の主要寸法
付表5 円形中部壁(1~6号(B))の主要寸法
付表6 円形下部壁(1,2号(C))の主要寸法
付表7 円形下部壁(3~6号(C))の主要寸法
付表8 円形下部壁(1,2号(CA))の主要寸法
付表9 円形底版(1~6号(P))の主要寸法
付表10 角形調整リング(1~3号(K))の主要寸法
付表11 角形上部壁(1~3号(A))の主要寸法
付表12 角形中部壁(1~3号(B))の主要寸法
付表13 角形下部壁(1~3号(C))の主要寸法
付表14 角形底版(1~3号(P))の主要寸法
付表15
分割底版型円形下部壁(1,2号(CATK))の主要寸法
付表16
分割底版型円形下部壁(3,4号(CTK))の主要寸法
付表17
分割底版型円形底版(3,4号(PTK))の主要寸法
付表18
分割底版型角形下部壁(1,2号(CTK))の主要寸法
参考図1 軸方向耐荷重試験方法
解説
(公益社団法人日本水道協会、水道用レジンコンクリート製ボックス、2000年)