水道は、住民生活に欠くことのできないライフラインとして、道路下に埋設された水道管から各家庭や工場等へ供給されています。そして、この水道管には、止水用のバルブや消火栓などの機器類が取り付けられています。これらの機器類の操作は、道路上に設けられた開口部を通じて行われます。その開口部に設置されている鉄製の蓋が「水道用鉄蓋」です。
 従って、水道用鉄蓋は、他の道路上の鉄蓋と同様に、歩行者や走行車両に対して十分に安全な施設でなければなりません。そのため、水道用鉄蓋の製造に当たっては、その設置環境に適した強固な材質の開発が進められました。
 また、水道用鉄蓋は、断水事故や火災時等において、バルブや消火栓などが速やかに操作できるよう、開閉操作が容易でなければなりません。加えて、日常の走行車両等によってガタツキ騒音等を発生させてもいけません。これらの課題解決に当たっては、これまでに各種の構造的な工夫が行われてきました。
  このような技術的な課題への挑戦によって、水道用鉄蓋の材質や構造が進化してきたといっても過言ではありません。そして、現在、我が国の鉄蓋の製造技術は、世界最高水準にあるとも言われています。
  一方、我が国の水道は、昭和30年代から40年代にかけての高度経済成長期を契機に、急速な面的量的な拡大期を経て、大部分の国民が利用できるまでに普及してきました。しかしながら、今後、このように広範囲に整備された水道施設の多くが老朽化して、その維持管理や更新が大きな課題となっています。
 また、人口減社会の到来、市町村の合併、水道事業体における若年技術者の減少やIT化の進行など、我が国の水道を取り巻く環境の大きな変化も危惧されています。
 水道用鉄蓋は、このような状況にある水道施設の中に存在しています。
 そこで、水道用鉄蓋工業会では、これまでの技術的な発展に立脚し、新たな時代のニーズへ向けて、水道用鉄蓋の技術の向上や安全な施設へ寄与するための普及促進を図る活動を行っております。
  今後も継続的に、これまで培ってきた技術や情報を公開し、水道用鉄蓋の技術的発展と社会の安全に貢献して行きたいと考えております。
 
 
水道用鉄蓋工業会
 
 
会長 戸簾 俊久